電気工事会社の事業承継とM&A
許可、登録、主任電気工事士、経営業務の管理責任者。電気工事会社の承継は、この4つの整理で結果が変わります。資材を納めてきた側から、現場の実態に即して整理します。
- 相談は無料
- 匿名で可
- 売却を決めていなくてよい
- 同業には知られません
電気工事業界の現在地
数字はすべて官公庁・業界団体の一次資料から引用し、出典と年次を明記しています。 他社の記事に流通している出典不明の数値は使いません。
電気工事の承継で、実際につまずくところ。
許認可と有資格者の整理は、譲渡が成立するかどうかそのものを左右します。 ここを後回しにすると、条件が固まってから話が振り出しに戻ります。
【最重要】経営業務の管理責任者が代表者しかいない
建設業許可の維持には「経営業務の管理責任者」の要件(役員等としての経営経験)を満たす者が必要です。この要件を代表者本人しか満たしていない小規模事業者は非常に多く、代表者が退任した瞬間に許可の維持ができなくなります。「会社を売ってすぐ引退」を前提にすると、買い手にとっての価値が根本から崩れます。
最優先で確認する項目です。要件を満たす方が他にいない場合、①代表者に一定期間役員として残っていただく、②要件を満たす人材を承継前に確保する、③許可が不要な範囲に事業を絞る、のいずれかを設計します。売却を検討し始めた時点でご相談いただければ、②の時間が作れます。
主任電気工事士が代表者本人の場合
電気工事業法上の登録electrical業者は、営業所ごとに主任電気工事士(第一種電気工事士、または第二種取得後3年の実務経験者)の選任が必要です。これが代表者本人だと、退任時に登録の要件を欠きます。
主任電気工事士の選任状況を営業所ごとに棚卸しします。代表者本人の場合は、社内の有資格者への切り替え可否を確認し、必要なら承継スケジュールに資格取得期間を織り込みます。
建設業許可と電気工事業登録は別制度。両方の確認が要る
「建設業許可(電気工事業)を持っているから登録は不要」と誤解されているケースがあります。建設業許可を受けている場合は電気工事業法上の「みなし登録(届出)」が必要で、これを失念していると無登録営業になります。
国土交通省所管の建設業許可と、経済産業省・都道府県所管の電気工事業登録(登録/通知/みなし登録/みなし通知)を、それぞれ別に確認します。ここは制度が分かれているため、専門家でも取り違えることがある箇所です。
株式譲渡・事業譲渡・合併で許可の扱いが変わる
株式譲渡であれば法人格が変わらないため許可は原則そのまま維持されます。事業譲渡や合併では、事前認可を受けない限り許可を引き継げず、空白期間が生じるおそれがあります。
2020年10月の建設業法改正で事業承継の事前認可制度が整備されました。事業譲渡・合併・分割を選ぶ場合は、認可申請のスケジュールを逆算して契約日を設計します。
ここまで読んで「うちはどうだろう」と思われたら、 そこがご相談のタイミングです。
売却をお決めでなくて結構です。費用はかかりません。匿名でもかまいません。
決算書に出ない、電気工事の値打ち。
有資格者の人数と年齢構成
第一種・第二種電気工事士、電気主任技術者、電気工事施工管理技士が何人いて、何歳か。これが受注できる工事の範囲と量を決めます。
有資格者は採用市場にほぼ出てきません。買い手にとって「資格者ごと買う」ことが最大の動機になります。
元請比率と発注元の構成
元請として直接受注しているか、下請の何次にいるか。ゼネコン・管理会社・工務店・エンドユーザーのどこから仕事が来ているか。
元請は粗利が高く、下請次数が深いほど価格決定権を失います。発注元の分散度もリスク評価に直結します。
保守・点検の継続契約本数
工事は単発ですが、保守は毎年入ります。契約本数と年間の定額収入が、企業価値の安定性を大きく左右します。
ストック収益があると企業価値の算定が容易になり、評価倍率が上がりやすくなります。
工事台帳・未成工事支出金の整備状況
案件ごとの原価と粗利が出せる状態か。仕掛かり中の工事の進捗と原価が把握できているか。
数字の信頼性そのものです。台帳が整っていないと、買い手はリスク分を値引きして提示せざるを得ません。
経営事項審査(経審)の点数と入札参加資格
公共工事を請けている場合、経審の点数と入札参加資格は資産です。ただし承継の方法によって扱いが変わります。
公共案件の受注枠は簡単には作れません。ただし合併・事業譲渡では点数が引き継げないことがあり、設計が重要です。
電気工事を、誰が買うのか。
売り手の方が最初に知りたいのは価格ではなく、「本当に相手がいるのか」です。 この業種で実際に買っているのは、次のような会社です。
同業の電気工事会社(地域・技術者の補完)
最も件数が多い類型。商圏が隣接し、技術者を融通し合える相手が最有力です。
電力系サブコン・大手設備工事会社
全国展開を進める大手が、地域の施工力を取り込む形。買収余力が大きい類型です。
- きんでんが弘電社にTOBを実施(2026年5月発表)。2026年3月期は電気設備工事大手5社のうち4社が増収増益で、買収余力が高い状態。 出典
※ 公表情報をもとにした業界動向の紹介であり、いずれも当社が関与した案件ではありません。
異業種大手(データセンター・半導体需要)
ハウスメーカー・不動産・商社が「施工力を買う」動きが本格化しています。
- 大和ハウス工業が住友電設を約2,920億円でTOB(2025年10月発表、同社過去最大の買収)。データセンター・半導体工場の建設需要に対する施工力の垂直統合が狙い。 出典
※ 公表情報をもとにした業界動向の紹介であり、いずれも当社が関与した案件ではありません。
電材商社(川上からの統合)
資材を納めている商社が、施工まで一貫して持つケース。当社自身がこの立場にあるため、買い手側の判断基準がよく分かります。
最初の一歩は、匿名の相談で結構です。
- 1
匿名でご相談
社名を伏せたままで結構です。売却をお決めでない段階のご相談を歓迎します。ここで費用は一切かかりません。
- 2
許認可と有資格者の棚卸し
電気工事の承継で最初に確認すべき許認可・資格の状況を整理します。ここに問題があると後の工程がすべて崩れるため、最優先で行います。
- 3
企業価値の整理と資料づくり
決算書に出ない価値を、買い手に伝わる形の資料に整えます。ここが評価額を最も大きく動かします。
- 4
買い手候補の選定と打診
情報が業界内に回らない相手を選んで打診します。秘密保持契約を締結するまで、社名や所在地はお伝えしません。
- 5
条件交渉・最終契約・引き継ぎ
価格だけでなく、従業員の雇用、代表者保証の解除、引き継ぎ期間まで含めて条件を設計します。
電気工事業界の主な団体
- 日本電設工業協会
- 電気設備工事業の全国団体
- 各都道府県 電気工事工業組合
- 地域単位の組合。セミナー共催のアプローチ先
電気工事の承継について、よくいただく質問。
社長が引退したら許可はどうなりますか。
職人5名の小さな会社です。相手にされますか。
経審の点数は引き継げますか。
取引先の電材屋さんに知られませんか。
川上と川下も、まとめて見ています。
電材卸から電気工事、盤の製造、計装まではひとつの商流です。 だから、業種をまたいで買い手をお探しできます。
電材卸・電設資材商社
在庫の質、メーカー口座、掛売りの与信、配送網、そして番頭さん。電材屋の価値は決算書には載りません。私たちは1950年から同じ…
見る →配電盤・制御盤製造
盤の価値は設備ではなく、盤を設計できる人と、図面を出してくれる取引先です。受注生産で標準化が効かないこの業種を、資材を納めて…
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計装は電気でも管でもない、その境界にある仕事です。だから業種としてくくられず、M&Aの世界でもほとんど扱われてきませんでした…
見る →消防設備工事・点検
点検は法律で義務づけられているので、契約は毎年続きます。この「切れない売上」をどう見せるかで評価が変わります。消防設備士とい…
見る →電気通信工事
LAN配線、光ファイバ、防犯カメラ、入退室管理。電気工事と一体で請けている会社が多い一方、必要な資格と許可は別物です。そこを…
見る →電気機器・産業用機器卸
モーター、インバーター、シーケンサ、センサー。メーカーの代理店権と、技術がわかる営業。この2つが揃っている商社は、いま買い手…
見る →防犯・防災設備(弱電・セキュリティ)
防犯カメラ、入退室管理、非常放送、防犯システム。消防設備でも警備業でもない、その谷間にある仕事です。だから業種としてくくられ…
見る →電気工事のことは、電気工事を知る相手に。
売却をお決めでない段階で結構です。
「うちはいくらぐらいなのか」だけでも、お答えできます。
- 相談は無料
- 匿名で可
- 同業には知られません